目次
40代以上で歯列矯正を始める方
40代以上でも歯列矯正を始める理由
まとめ:40代以上でも歯列矯正はできる?
歯は、人間が生まれた時から絶えず動き続けています。
また、それぞれの歯は筋肉や顎骨の動きに合わせて日々少しずつ調整されています。
なので、矯正を行っていなくても、昨日と今日でわずかに噛み合わせが違うな?と感じることもあるのです。
成人の方への矯正
歯が動くメカニズムのページで紹介した歯槽骨や歯根膜の新陳代謝は全ての人の体内で働いています。ですので、年齢を重ねても歯はきちんと動いてきてくれるのです。
ただし、加齢変化によってこの新陳代謝のスピードが遅くなることがあります。そのため、若年の患者様に比べて治療の期間がやや長くなることがあります。
参考として、以下に骨形成に関わる骨形成マーカーの数値をご紹介します。
ALP(アルカリフォスファターゼ)
ALPは、骨をつくる細胞であるオステオブラストが分泌する物質のことで、骨形成の活発さを示す指標となります。
20代の女性の骨形成マーカーであるALP(アルカリフォスファターゼ)の平均値は、約212IU/Lです。
一方、40代の女性の平均値は、約162IU/Lとなっています。
男性の場合も同様の傾向が見られます。
このように、骨を作る機能が加齢に伴いやや減少していくため、その方や年齢に合ったペースで慎重に行っていく必要があるのです。
また、無理な力で動かすと歯のぐらぐらが強くなったまま治らなかったり、歯肉退縮のリスクも増加します。
近年では技術の進歩により、年齢を問わず、より多くの人々が歯列矯正治療を受けることができるようになりました。
とくに、マウスピース矯正は装置の使いやすさも大きな利点ですが、それ以上に弱い力を持続的にかけることができることは成人矯正にとって理想的な治療方法と言えます。
マウスピース矯正(インビザライン)の素材の利点に関してはこちらのページをご覧ください。
また、歯列矯正治療を受ける際には、治療期間中に口腔内のケアをしっかり行うことが必要です。
日常で歯磨きやフロスの使用、クリニックでのクリーニングを定期的に行うことで、治療期間中に口腔内の健康を維持することができ、スムーズな治療に繋がります。
歯列矯正治療を受けることにより、見た目の美しさや口腔内の機能を改善することができる事に加えて、歯周病や虫歯などの口腔内の疾患を予防することができます。
また、正しい噛み合わせを実現することで、歯の摩耗を防止することができます。
40代以上で歯列矯正を始める方
近年では若い方だけではなく40代以上の熟年層から矯正を始める方も増えてきています。
その理由として、「昔から治したかったが当時はお金がなかった」「子育てが落ち着いた」「親が矯正に対して興味がなくてお金を出してもらえなかったが今は自分で出せる」など、タイミング的な問題で、お金や時間に余裕ができたことが大きいようです。
また、近年では歯列矯正の広告などもよく見るようになり、周りに「矯正をした人」「矯正中の人」が増えてきたことも後押しとなり、相対的に矯正人口が増えてきています。
40代以上でも歯列矯正を始める理由
40代を超えてから歯列矯正というと、一昔前では「今からきれいにしてどうするつもり?」など、揶揄されたこともありました。
しかし、現在では、歯並びによって将来的なお口の健康、延いては身体の健康につながることが広く知られるようになりました。歯を失うことは、咀嚼力が低下し、消化器や脳の機能の低下につながると言われています。そのため、40代を過ぎて不正咬合でもまだ歯に影響が出ていないようであれば、今のうちに治療することで将来的に歯や身体の健康を守れる可能性は高くなると言えます。
まとめ:40代以上でも歯列矯正はできる?
歯列矯正に年齢は関係ありません。例えば60歳でも70歳でも矯正治療に耐えられる歯が残っていて、ご本人が望まれるなら治療は可能です。よく、歯科治療でQOL(クオリティ・オブ・ライフ)という言葉が使われますが、これは「生活の質」という意味を表します。歯列矯正は、まさにこのQOLを高める治療の一つで、見た目の悩みを解決し、将来的なお口や身体の健康を守る一助になる治療です。
そのため、「今さら矯正なんて」ではなく「今からでも矯正」と考えることができれば、50代・60代になったときの生活の質が大きく異なっている可能性があります。
当院でも、40代・50代から治療を始められる患者様も最近では珍しい話ではありません。もし、歯並び治療に興味がありましたら、お気軽にご相談下さい。
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