「歯科矯正を始めよう」と思ったとき”ワイヤー矯正”にするか、”マウスピース矯正”にするか、悩む方も多いですよね。今回はワイヤー矯正をしている私が、歯のことならなんでも知っていて、マウスピース矯正を推奨している森下先生にお話を伺ってきました!
\ この記事に出てくる人! /
◎ 執筆者
矯正中の23歳女 矯正歴:4年目に突入
関東圏内の(ルーチェではない)矯正歯科に通っている。目立たないマウスピース矯正で始めたが、1年前に院から「ワイヤーに変更しなければ、もう矯正は難しい」と宣告される。やむを得ずワイヤーに変更した過去をもつ(追加で10万円を支払った)。
◎ 森下貴祥(もりしたたかよし)先生
ルーチェマウスピース矯正歯科医院の医院長。国内に約5名しかいないレッドダイヤモンド(インビザラインの症例数が1年間で1000件以上に与えられる賞)を受賞している。昨年度は1793件の症例数と、国内No.1&世界トップクラスでマウスピース(インビザライン)矯正に詳しい先生。
■ 職歴
医療法人社団至善会理事長・総院長
目次
1. ワイヤー矯正は虫歯になりやすい?
森下先生 ワイヤー矯正、歯ブラシできないでしょ。
ーはい、できません(笑)ちゃんと時間かけても、銀ののりまきみたいな部分(バンド)に食べかすが詰まってたりします。
森下先生 歯科の二大疾患は虫歯と歯周病。歯科医師の使命として大前提、虫歯や歯周病をなくすために、歯並びを良くしてる。それなのに、虫歯とか歯周病の原因になるようなもの(=ワイヤー矯正器具)を口の中に入れちゃいけないと、僕は思ってる。
「なんでそんな器具入れちゃうんですか」っていうことに対して、何の疑問も持たないでワイヤー矯正をやると、歯ブラシが全然できない人たちが出てくる。でも装置は”こんだけすごい装置をやってます!”感がある。
こんな歯ブラシもできない装置、歯科医師ならば、虫歯とか歯周病の原因って細菌だってわかってるでしょ?と思うんだよね。
ー歯ブラシがちゃんとできてないのは、自分とか患者側が悪いんだって思っていました。確かに歯ブラシは、どんなに丁寧にやっても難しいです。
森下先生 細菌をきちんと取ってあげれば、虫歯も歯周病もない。それは科学的なエビデンスがある。細菌が取れないような装置を入れちゃいかんと思うし、もしそれがワイヤーじゃなくても同じような結果を得られるんだったら、第一選択としては虫歯とか歯周病にならないような装置を僕は使うべきだと思ってる。
ー知り合いでワイヤー矯正を終えた方がいて、この前矯正のことを色々話したのですが、ワイヤーが取れたときに虫歯でもう戻らない歯があったと言ってました。それでその歯を結局抜くことになったらしいんです。
それって、めっちゃ怖いことだなあと。
だから、「歯ブラシはほんとにちゃんとしたほうが良いよ」ってアドバイスされました。
森下先生 歯並びが悪いと病原菌が〜って言うけど、虫歯だって病原菌だし、歯周病だって病原菌でしょ。歯科の二大疾患は虫歯と歯周病だからね。マウスピースだと、食べる時や歯磨きの時に自分で取り外しできるから、歯ブラシは普通にできるんだよ。
2. ワイヤー矯正の痛み
森下先生 ワイヤー痛いでしょ?
ーはい。今も伸びてきたワイヤーが奥に刺さってて、話してるだけで正直痛いです。基本的に口内炎だし、月一のワイヤー調整の日は、歯茎が痛すぎて何も食べれなくなります。
森下先生 痛いっていうのは、バイタルサイン。「もうやめてください」って体の悲鳴。もうそれやめてくださいって。やり続けたらどうなるかっていうと、歯根膜炎とか歯根吸収って言って、根っこが短くなっちゃったりとかしてる。
ーそれって歯が抜けやすくなるってことですか?
森下先生 短くなるからね。あと歯肉退縮とか。
森下先生 痛いってのはバイタルサイン。いいことじゃない。その前にインビザラインやってたときは痛くなかったでしょ?
ー痛くなかったです。今ワイヤーになってからは、本当に通うたびにその日何も食べれないくらい痛くて・・・。最初はインビザラインだけで希望してたんですけど、それでできないから途中からワイヤーになってしまって。大学2年から矯正を始めたんですけど、休学して違う地域に行ったりとかもして、あんまり通いづらくなってしまって。 3ヶ月に1度の通院で大丈夫って言われてたんですけど、行った時には「ワイヤーに切り替えないとこれ以上厳しい」と言われました。
森下先生 それから抜歯をしたの?
ー抜歯はインビザラインの時、一番最初の時にしました。このかみ合わせだと動きづらいので、きれいに直したければ抜歯をしてくださいとのことでした。
森下先生 うちは日本で一番インビザラインをやってるんだけど、ワイヤーに切り替えるっていうことはない。
ーそうなんですか!?
森下先生 1症例もないよ。矯正専門でやってるから、難しい症例の方もいっぱい来る。でもインビザラインでやるし、抜歯症例も数パーセントしかない。それが良いか悪いかは各先生たちにもよる。ワイヤーの先生たちはワイヤーの先生で、それはちゃんとしたエビデンスがあって抜歯もしてると思う。ただ、うちの場合は抜かないでできる人の方がはるかに多い。
例えば入れ歯を作るとき、人工的な歯槽骨みたいなのをワックスでつけて、歯を並べて入れ歯の形にして、それをプラスチックに置き換えて入れ歯を作る。人工のワックスの土手みたいなものが人間の歯槽骨。人工歯が天然の歯。歯根がついてる。
だから、歯を並べる限界って、骨の中でしかできない。逆に言えば骨があれば歯って移動できるから、「骨の限界の中で歯をどうやって並べてあげるのか」ということでしかない。それが基本。
森下先生 今はインビザラインはCTと連動できるので、骨の中をどうやって安全に動かすか、CT上でちゃんと確認をしながら移動することができる。だから、すごく安全に並べることができる。それはまだ完璧なものではないけど、安全性ってことを考えたら、きちんと確認しながら一本一本並べていける。
森下先生 インビザラインの時って痛くなかったでしょ?
ーワイヤーよりは断然痛くなかったですね。
森下先生 歯根膜って平均値で0.25mm。歯根膜の中で、全ての歯を並べてあげるっていうことがなされてるから痛くない。
ー確かに。ワイヤーは一回の調整で一ヶ月分とかですけど、インビザラインは1週間ごととかに、自分でちょっとずつ交換することで、動かしていきますもんね!
ワイヤー矯正は歯磨きがとても難しいです。それがひいては虫歯につながりやすい上、強い力がかかるため、歯の根っこが溶けて吸収されてしまう可能性もあります。
ワイヤー矯正かマウスピース矯正、どちらにするか悩んでいる方はぜひ、マウスピース矯正を推奨します。
しかし、マウスピース矯正の主流である「インビザライン」は、ここ20年という最近できた治療法のため、世の中の先生たちが今試行錯誤している治療法です。インビザラインでスタートしても、症例数が少なかったり先生の技術によっては、私のように「ここからはワイヤーじゃないと無理です」と切り替えられてしまう場合もあります・・・!
ルーチェ マウスピース矯正歯科では、インビザラインからワイヤーに切り替えたことが一度もないほど、インビザラインの技術は国内トップレベルです。また、非抜歯にもこだわっています。
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