インビザラインで歯が動くメカニズム | ルーチェマウスピース矯正歯科

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インビザラインで歯が動くメカニズム

目次

矯正で歯が動くメカニズム

皆様はどうして矯正で歯が動くんだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
歯はあんなに硬いのに矯正を始めると動いていくのは不思議ですよね。
実は歯やその周囲の組織は、持続的な力を加えることで変化します。この変化を利用して歯を任意の方向に動かしていくのが歯科矯正です。

今回は矯正で歯が動くメカニズムをご紹介します。 

【1】歯周組織の代謝反応を利用している

通常、歯は顎の骨(歯槽骨)の中に埋まっています。このうち歯槽骨に埋もれている部分を歯根と呼びます。

歯槽骨と歯根の間には歯根膜と呼ばれる細い繊維が橋渡しのようにたくさん繋がっており、強い咬合圧を和らげたり噛んだものの堅さを感じ取ったりと、クッションのような働きをしています。

魚の小骨を噛んだのが分かったり、歯と歯の間に食べ物が挟まって違和感を感じることができるのは歯根膜のおかげということです。

また、歯根膜はピンと張ることで歯を定められた位置にキープする働きもあります。

ご自身の歯を少し押してみると、わずかに揺れるかと思います。
これは歯根膜が歯を支えていることに理由があり、正常な状態でも人間の歯は軽く揺れる余裕があるようにできています。

ところが矯正によって歯に一定方向の力が加わると、押された側の歯根膜は伸び、反対側は縮む状態が続きます。
このような状態になると、押された側には骨を作る骨芽細胞が集まり、反対側には骨を壊す破骨細胞が集まって、骨の再生や吸収が行われます。

押された側の骨の厚みが増え・反対側の骨が吸収されることで、歯根膜はもとのピンと張った状態に戻ります。

このサイクルを繰り返し、時間をかけながら断続的に行うことで歯が動いていきます。
これが矯正で歯が動くメカニズムです。

矯正中には上記のサイクルが常に起こっているため、一時的に歯の揺れが大きくなることがあります。
矯正で動かす期間が終了し、保定マウスピースを使うことで歯の周囲組織が落ち着いてくると、動揺も生理的な動揺の程度に戻っていきます。

また、歯の移動や骨の再生には適切なペースがあります。
無理な力をかけ続けると骨の吸収ペースに再生ペースが追いつかず、歯槽骨や歯根にダメージを負ってしまい、矯正が終わっても歯の揺れが大きいままというような状態が発生します。

マウスピース矯正は適切な力をかけ続けることが可能なので、歯や周囲の組織に負担の少ない矯正方法と言えます。

【2】実は自然に歯が動くこともある

歯はいちど生えたら動かないのでしょうか?
実は、【1】歯周組織の代謝反応を利用している でご紹介した歯周組織の代謝反応は通常時でも起こっており、歯並びはわずかですが常に変化しているのです。
ですので、歯並びは矯正をしていなくても自然に変わっていくことがあります。

例えばこんなご相談をよく耳にします。

「昔は歯並びがよかったのに、最近ガタガタしてきた」

「隙間が少しずつ空いてきた」

「矯正が終わったけれど、後戻りしてきた」

それは、歯や歯の周りの組織の変化に伴い歯並びも変化しているからなのです。

以下に歯並びが変化しやすい要因をご紹介します。

・噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪いと歯に対して思わぬ方向に力が加わります。
これにより歯が斜めに倒れ込んでしまったり、捻れてしまうことがあります。

また、噛み合わせが悪いと歯周組織にダメージが及びやすくなったり、噛み合わせのバランスを補おうとして頬の筋肉が発達してフェイスラインが左右非対称になったりします。

・抜歯したスペースをそのままにしている
歯列の途中の歯を抜歯したあとに、矯正や被せ物、インプラントをせずにそのまま放置していると、空いたスペースに向かって両隣の歯が倒れ込んできます。
噛み合わせも悪くなり、磨き残しが増えるなど様々な悪影響があります。

・矯正後の保定装置をつけないでいた
矯正終了直後は歯の移動に伴い再生された歯槽骨は不安定で歯が動きやすい状態です。
また、人間の身体は元の状態に戻ろうとする働きがあるので、非常に後戻りしやすい状態と言えます。

なので、矯正終了後は保定装置(リテーナー/保定用マウスピース)を使用していただき、歯周組織を安定化し、歯並びを固定する必要があります。

保定装置を使わないでいるとせっかく綺麗に並んだ歯並びも後戻りしてガタつきが再発生してしまったり、隙間ができてしまったりします。

・親知らずが生えてきた
親知らずとは、第三大臼歯と呼ばれる歯で、智歯とも呼ばれます。
人間の歯の中で完成するのが最も遅く、生えてくる時期も成人してから生えてくることが多い、やや特殊な歯です。

上下左右の最も奥に生える歯ですが、日本人で親知らずが1本でも存在する人は3人に2人と多数派を占めています。
また、親知らずは存在するけれど生えてきていない人や親知らずが生えないまま生涯を終える方も多くなってきました。

大昔の人類に比べて現代人の顎がどんどん小さくなっているのに伴い、顎の中で親知らずの生えるスペースが確保できなくなり、結果として親知らずが斜めに生えてきたり、横に埋まっている状態が起こっています。

斜めに生えてきた親知らずは、隣の歯を押して無理矢理生えてこようとします。
すると、押された力の影響で、隣の歯のみならず歯並び全体が崩れてしまう事があります。

歯科矯正は、歯周組織の代謝反応を利用して歯を理想的な位置に導く方法です。しかし、自然な歯の動きや噛み合わせの変化、親知らずの影響などにより、矯正後も歯並びが変化することがあります。歯並びの安定を保つためには、矯正後のケアが非常に重要です。正しいアフターケアを行い、美しい歯並びを維持しましょう。

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