近年注目の新しいマウスピース矯正「アソアライナー」について解説します
近年、人気が高まっているマウスピース矯正。従来のワイヤー矯正よりも快適に歯並びを治せるため、治療への満足度も極めて高くなっています。
そんなマウスピース矯正にはいろいろな種類があるのをご存知でしょうか?
今回はその中でも注目が集まっている国産のマウスピース矯正「アソアライナー」の特徴や費用相場などを徹底的に解説します。
目次はこちら
アソアライナーとは? マウスピース矯正の最新技術
はじめに、アソアライナーの基本事項から確認していきましょう。
◎国産のマウスピース矯正
冒頭でも述べたように、アソアライナーは比較的珍しい国産のマウスピース型矯正装置です。
マウスピース矯正の代名詞ともいえるインビザラインがアメリカで開発・提供されているのに対し、アソアライナーは日本国内で作られていることから、どのようなメリットとデメリットがあるのか気になる方も多いことでしょう。
国産のマウスピース矯正にはどんな特徴があるのでしょうか?
◎アソアライナーの5つの特徴について
特徴1:硬さの異なる3つのマウスピースを使う
アソアライナーでは、一般的なマウスピース矯正と同様、透明な樹脂製のマウスピースを使いますが、ソフト・ミディアム・ハードという3つの硬さを順番に交換していく点が大きな特徴となっています。
やわらかいマウスピースから硬いマウスピースへとステップを踏んで装着していくため、歯並びを緩やかに改善できます。
その結果、治療に伴う痛みも他のマウスピース矯正より少なくなることでしょう。
特徴2:定期的な歯型取りで矯正を軌道修正できる
標準的なマウスピース矯正は、治療をスタートさせる時点ですべてのマウスピースが完成しています。
それ以降、歯型取りをしなくて済むというメリットがある反面、何らかのトラブルが起こった際の軌道修正ができないというデメリットも伴います。
その点、アソアライナーは定期的に歯型取りを行うことから、治療の途中で何らかのアクシデントが起こり、治療計画の修正を余儀なくされたとしても容易に対応できます。
特徴3:軽度から中等度の歯並びが対象
アソアライナーは、出っ歯や受け口、乱ぐい歯など、いろいろな歯並びに適応できますが、対象となるのは軽度から中等度の症例です。
重症度が高い症例は、アソアライナーで治すことが難しく、その他のマウスピース矯正かワイヤー矯正が第一選択となりやすいです。
特徴4:矯正にかかる費用が比較的安い
今回のテーマでもあるアソアライナーの費用相場とも関連のあることですが、このマウスピース矯正は他の治療システムと比較すると、価格が安く設定されています。
それは特徴3で解説した適応対象と関係しています。
アソアライナーでは、軽度から中等度の症例が適応症となるため、使用するマウスピースの枚数も必然的に少なくなります。
その結果、マウスピース矯正にかかる費用も安く済むのです。
特徴5:矯正の治療期間が比較的短い
アソアライナーで歯並びを治す場合は、4カ月から1年半程度の治療期間を要します。
一般的なマウスピース矯正では、1年半から3年程度の期間がかかることを考えると、かなり短い年月で歯並びの治療を終えられることがわかります。
3つの硬さのマウスピースなので痛みが少ない点、対象が軽度〜中度の症状が対象でした
重度の矯正は対応できませんが、軽度〜中度の矯正には比較的安価で短期間で矯正可能です
アソアライナーの費用相場
続いては、アソアライナーの費用相場についてです。
◎アソアライナーの費用相場は100,000~400,000円程度
アソアライナーでマウスピース矯正した場合の費用は、100,000~400,000円程度が全国的な相場となっています。
アソアライナーは自費診療であり、歯科医院によって価格を自由に決められるため、費用について一概に語るのは難しいのですが、100,000~400,000円程度が相場であると考えておけば、大きく間違えることはないでしょう。
◎一般的なマウスピース矯正の費用相場は200,000~1,000,000円程度
アソアライナー以外にもいろいろなマウスピース矯正がありますが、全国的な費用相場は200,000~1,000,000円程度となっています。
数あるマウスピース矯正の中でも100,000円から始められる治療システムはそれほど多くはありません。
そういう意味でアソアライナーは、経済的に優れたマウスピース矯正といえます。
◎アソアライナーの費用相場が低い理由
アソアライナーの費用相場は、その他のマウスピース矯正より低くなっていますが、その理由としては「軽度から中等度の症例が対象」「治療期間が短い」「国産である」という点が挙げられます。
最後の「国産」というのは、マウスピースの作成を海外の企業に発注して、完成したものを郵送してもらう必要がない点と関係しているといえるでしょう。
国産であることは安心感にもつながることから、アソアライナーの特長のひとつとして強調しておきたいポイントでもあります。
軽度〜中度が対象で国産の安心感と流通経費の安さから比較的安価に利用できます
費用を抑える方法
アソアライナーの費用相場は、100,000~400,000円程度であることから、その他のマウスピース矯正よりも安い価格で歯並びを治せます。
それでもやはり数十万円の出費は大きいため、できるだけ費用を抑えたいという方もいらっしゃることでしょう。
そんな方は、次の方法を実践してみてください。
方法1:気になる部分だけを治す
歯並びの中でも気になる部分だけに調整を加える部分矯正なら、使用するマウスピースの枚数が少なく、費用も安く抑えられます。
歯の傾きや位置を大きく改善したり、全体の噛み合わせを考慮した矯正を行ったりすることは難しいですが、安い費用でマウスピース矯正が受けられます。
方法2:矯正のルールを厳守する
アソアライナーでは、マウスピースの装着時間や通院の頻度など、あらかじめ決められたルールがあります。
そのルールを守れないと、治療期間が長くなったり、余計な処置が必要となり費用も高くなったりすることから、歯科医師の指示通りに矯正を進めていくことが大切です。
これはどちらかというと、矯正の費用がかさまないようにすべき取り組みといえます。
方法3:医療費控除を利用する
アソアライナーによる歯列矯正の費用は、基本的に医療費控除の対象となります。
確定申告の際に申請することで、一定額の税金の還付が受けられます。
安く抑えるコツは、必要な部分だけ部分矯正をすること、マウスピースの装着ルールをしっかり守ること
アソアライナー矯正のよくある質問
最後に、アソアライナー矯正でよく受ける質問にお答えします。
痛みや副作用はある?
アソアライナーも歯列矯正の一種である以上、痛みは伴います。
なぜなら歯列矯正というのは、顎の骨にしっかりと埋まっている歯を人為的に動かす処置だからです。
ただ、アソアライナーの場合は、硬さの異なる3つのマウスピースをやわらかいものから順に使用していくため、ワイヤー矯正はもちろんのこと、その他のマウスピース矯正より痛みが少なくなっているといえるでしょう。
副作用に関しては、その他の歯列矯正と同様、歯根吸収、歯茎の退縮、歯髄充血、歯髄壊死、顎関節症、歯周病、虫歯といったトラブルに見舞われる可能性が挙げられます。
これはどのような方法で矯正を行ってもリスクをゼロにすることは難しいです。
矯正期間はどれぐらい?
アソアライナーによる歯並びの治療では、4カ月から1年半程度の期間を要します。
目安となる矯正期間に幅があるのは、患者さんの歯並びの状態によってやるべきことが異なるからです。
比較的軽い症例であれば、半年程度で終わることも珍しくありません。
インビザラインとどっちがおすすめ?
アソアライナーについて詳しく知ると、マウスピース矯正の代名詞ともいえるインビザラインとの違いについても気になるかと思います。
インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発・提供しているマウスピース矯正で、日本で普及してからもうすぐ20年程度が経過します。
そのため診療実績は、アソアライナーとは比較にならないほど多いです。
また、治療プランのバリエーションが豊富で、部分矯正・全体矯正・小児矯正のすべての対応できる点もインビザラインの魅力といえるでしょう。
さらにインビザラインのマウスピースは、歯の部分だけを覆うため、装着時の違和感・異物感・痛みが少なく、定期的な歯型取りも不要であるというメリットも伴います。
そうしたインビザラインの利点を考えた場合は、アソアライナーよりもおすすめのマウスピース矯正といえるでしょう。
ただし、歯並びの乱れが極めて軽度で、可能な限り安く歯列矯正をしたいという場合は、アソアライナーが推奨されます。
実績や治療プランの多さではインビザライン、比較的軽度の矯正で費用を抑えるならアソアライナー
まとめ
今回は、国産のマウスピース矯正であるアソアライナーの費用相場について解説しました。
アソアライナーは、硬さの異なるマウスピースを使って、歯を緩やかに動かす矯正法で、全国的な費用相場は100,000~400,000円程度となっています。
本文でも述べたように、一般的なマウスピース矯正より費用が安いのが特長ですが、定期的な歯型取りが必要であったり、適応範囲が極端に狭かったりするため、アソアライナーだけを検討するのはあまりおすすめできません。
ですからマウスピース矯正で歯並びを治した場合は、インビザラインも選択肢のひとつとして考えることをおすすめします。
軽度〜中度の治療にオススメですが、適応範囲が異なるのでインビザラインを含めて他のマウスピース矯正と比較検討しましょう。
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