矯正歯科の治療は一生に一回、受けるか受けないかの重要なものとなります。
一般の歯科治療とは比較にならないほど長い期間がかかるだけでなく、費用もそれなり高額となります
それだけに矯正歯科治療を任せる歯科医院選びは慎重に行いたいものです。
近年は、マウスピース型矯正が普及したこともあり、たくさんの歯科医院が矯正に対応するようになった点も注意する必要があります。
ここではそんな矯正歯科選びで失敗しないためのポイントと、安心して治療を任せられる歯科医院の見つけ方を当院がわかりやすく解説をします。
矯正歯科選びのポイント
矯正歯科の正しい選び方としては、
以下の3つのポイントが挙げられます。
治療方法
ひと言で矯正治療といっても、その方法にはいくつかの種類があります。
歯並びの乱れを細かく整える歯列矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の2つに分けられます
【ワイヤー矯正】
ワイヤー矯正は、マルチブラケット装置を使って悪い歯並びを改善する治療システムです。
歯の表面にブラケットと呼ばれる四角い留め具を設置して、歯列全体を金属製のワイヤーで固定します。1ヵ月に1回の頻度でワイヤーを調整することで、歯並びが少しずつ良くなっていきます。
ワイヤー矯正は、古くからある歯並びの治療法なので、多くの矯正歯科が対応しています。
【マウスピース矯正】
マウスピース矯正は、透明な樹脂製のマウスピースを使った治療システムです。
日本ではインビザラインが最も有名で、2006年から矯正歯科クリニックでの治療が始まっています。
ワイヤー矯正のような金属製のワイヤーやブラケットを固定する必要がないので、悪い歯並びを快適に治療できます。
自分が希望する矯正法に対応していることが大切
おそらく、矯正歯科での治療を検討している人は、もうすでに希望の矯正法があるかと思います。
ここ数年は、マウスピース型矯正のインビザラインを希望する人が急増しているため、ワイヤー矯正の人気が下がる傾向にありますが、それぞれに一長一短があることも忘れてはいけません。
ですから、まずは自分にあった矯正法を慎重に検討した上で、その治療が得意な歯科医院を探すことが重要といえます。
ちなみに、インビザラインは診療プロセスの大半がシステム化されている矯正法なので、どの歯科医院で受けても同じ結果が得られるものと誤解されがちですが、実際はそうではありません。
マウスピース型矯正のインビザラインは、ある意味でワイヤー矯正よりも専門性が高く、歯科医院の設備や歯科医師の技術・知識・経験によって治療結果が大きく変わる治療法といえます
料金
歯並びの治療にかかる料金・費用・値段も矯正歯科を選ぶ上で重要なポイントとなります。
矯正歯科治療は、原則として保険が適用されないため、各歯科医院によって料金が大きく異なります
例えばワイヤー矯正であれば、600,000~700,000円程度の料金に設定しているところもあれば、900,000~1,200,000円程度に設定しているところもあります。
マウスピース型矯正のインビザラインに関しても、料金設定は矯正歯科によって差が見られます。
◎安ければ良いというわけではない
ここでひとつ注意が必要なのが「料金の安さ」です。
矯正の治療費がとにかく安い“格安”の歯科医院を選ぶことは、あまりおすすめできません。
それが日常で使う消耗品なら大きな問題にはなりませんが、矯正歯科の治療は医療行為なので、安いことがとにかく消費者(患者さん)の利益につながるとは限りません。
むしろ、矯正歯科治療の料金や費用を安く抑えるために、診療の重要な部分を省略したり、安価で劣悪な素材やシステムを採用していたりするかもしれないのです。
それならば始めから全国的な料金相場内で矯正治療を提供している歯科医院に的を絞った方が良いといえるでしょう。
ただし、矯正歯科には、技術に優れたドクターが在籍していることで、費用を安く抑えられているケースもあります。
プロフェッショナルが集まることで矯正治療を効率良く進めることができるため、料金を安く抑えられるのです。
そうした企業努力を行ってい歯科医院は信頼性が高いといえます。
ドクターの経験
矯正歯科の正しい選び方には、ドクターの経験という重要なポイントもあります。
矯正歯科は、数ある歯科の診療科の中で最も専門性が高い分野のひとつといっても間違いではありません。
その中で適切な治療結果を提供するためには、当然ながら豊富な知識や経験が不可欠となります。
今年から矯正歯科の治療を始めたドクターと10年間以上の経験があるドクターとでは、診療の技術にも雲泥の差があるといえるでしょう。
その点を患者さんがどう見極めるかが問題となりますが、マウスピース型矯正のインビザラインの場合は、比較的わかりやすいです。なぜならインビザラインにはプロバイダー制度が設けられているからです。
1年間の症例数に応じたランクが付与されることから、インビザラインに関する実績がひと目でわかります。
当院は「レッドダイヤモンド」の認定医師になります。このランクは最高位になり、それ以上の称号はありません。
ワイヤー矯正の場合は、歯学博士の資格の有無や、過去の症例数などを聞くことでドクターの経験をある程度、類推できます。
医院選びで失敗しないための心得
次に、矯正の歯科医院選びで失敗しないための心得を2つに絞ってお伝えします。
自分に合った、信頼のできる矯正歯科を選ぶためにも、少なくとも以下の2点は実践するようにしてください。
疑問点は必ず質問する
矯正歯科では、必ず始めにカウンセリングが行われます。初診相談や矯正相談とも呼ばれるもので、基本的にはドクターと1対1で面談することになります。
この時に患者さんが受け身にならないようにすることがとても重要です。
もちろん、カウンセリングではドクターから矯正歯科治療の選択肢・治療手順・治療期間・治療費などの説明がありますが、必ずしも十分であるとは言えません。
カウンセリングの時間は30~60分程度と限られていますし、そもそも個々の患者さんが知りたいこと・疑問に思っていることをすべて把握しているドクターは存在しないのです。
矯正歯科治療のカウンセリングの場では、積極的に質問することを意識しましょう。
できれば、カウンセリングに行く前に自分の歯並びや希望する矯正法の疑問点や不安に思う点をメモにまとめておくようにしてください。
そうすれば疑問や不安が残ったまま矯正治療をスタートすることもなくなります。
ドクターとしても患者さんが疑問や不安のない状態で矯正治療を始めてくれるのが一番なので、カウンセリングでたくさんの質問をされて不快な思いをすることはありませんのでご安心ください。
自分の希望を伝える
矯正歯科の治療は、カウンセリングの後に精密検査を行い、その結果を踏まえて治療計画を立案します。
そのため可能であればカウンセリングの段階で矯正に関する自分の希望を伝えておくと良いでしょう。
もちろん、精密検査が終わってからでも遅くはありませんが、そもそもあなたが希望する矯正治療の種類に対応していなかったり、治療期間や治療費などの条件も合わなかったりする場合があります。
とくに治療費に関しては、“これ以上は出せない”という明確なラインもあるかと思いますので、事前に伝えておくことが大切です。
◎インビザラインの料金設定について
ワイヤー矯正は、料金の面で柔軟性が低い治療法といえます。
例えばワイヤー矯正で全体の歯並びを治す場合は、重症度に応じて費用が大きく変わることはありません。
一方、インビザラインの場合は、プランが細かく分かれているため、重症度に応じて治療にかかる費用も大きく変わります。
極端にいうと300,000円の費用がかかる場合もあれば、1,000,000円かかる場合もあるのです。
そういう意味では、患者さんの希望に応えやすい治療法といえるでしょう。
よくある質問
Q.矯正歯科治療はどのくらい時間がかかりますか?
A.矯正歯科の治療期間は症例によって大きく変わりますが、一般的な全体矯正では歯を動かす動的治療(どうてきちりょう)に1~3年程度、歯の後戻りを防止する保定処置(ほていしょち)に1~3年程度の期間を要します。
これはワイヤー矯正でもマウスピース型矯正でも大きな違いはありません。
比較的症状の軽いケースに部分矯正を適応する場合は、3~10ヵ月程度で治療が完了します。
とくにマウスピース型矯正のインビザラインは、“前歯だけ”とか“気になる部分だけ”治したい人向けのプランが多数用意されているため、矯正を短期間で終わらせたい場合にはおすすめの治療システムといえます。
Q.矯正歯科治療は痛みますか?
A.少なからず痛みを伴います。どのくらいの痛みが生じるかは、選択した矯正装置や歯並びの状態によって大きく異なります。
例えば、比較的強い力で歯を動かすワイヤー矯正では、歯の移動に伴う痛みもそれなりに強くなります。
ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーや結紮線(けっさつせん)が口腔粘膜を刺激することによる痛みも生じ得ます。
一方、マウスピース型矯正のインビザラインは、比較的弱い力で歯を動かすことから、歯の移動に伴う痛みはワイヤー矯正よりも弱いです。
また、インビザラインで使用する装置は極めて薄く、表面がツルツルとして滑らかなので、歯茎や頬の粘膜を刺激することもほとんどありません。
そういう意味で、矯正歯科治療に伴う痛みが不安であったり、怖かったりする場合は、ワイヤー矯正ではなくマウスピース型矯正のインビザラインを選択した方が良いといえます。
Q.矯正歯科治療中に注意することはありますか?
A.ワイヤー矯正では、食事の時に注意が必要です。極端に硬い食べ物を噛むと装置が外れることがあるからです。
歯磨きの時は、装置が邪魔になってブラッシングしにくくなるため、普段以上に丁寧な口腔ケアが必須となります。
マウスピース型矯正の場合は、装置の装着時間や交換頻度を厳守する必要があります。
これは装置の着脱から調整までをすべて歯科医師が行うワイヤー矯正との大きく異なる点となっていますので、十分にご注意ください。
Q.矯正歯科治療は誰でも受けられますか?
A.誰でも受けられます。
ただし、骨格的な異常に由来する重度の歯並び・噛み合わせの異常があったり、歯の移動を妨げるような全身疾患を患っていたりする場合は、矯正歯科治療が受けられないこともありますので、不安な方はまず歯医者さんに相談しましょう。
矯正歯科治療の可否については、カウンセリングの段階で大まかに判断できます。
まとめ
今回は、矯正歯科の選び方と失敗しないためのポイントについて表参道のルーチェマウスピース矯正歯科が解説しました。
矯正歯科は、対応している治療方法・料金・ドクターの経験に着目して選ぶことが大切です。
カウンセリングの際には、積極的に質問して疑問点を解消し、治療への希望もしっかり伝えることで、矯正歯科選びでの失敗も避けやすくなります。
これから歯並びの治療を受けようかと考えている方は、本文でもご紹介した矯正歯科の選び方を参考にしてみてください。
表参道で矯正歯科をお探しであれば、いつでもお気軽にルーチェマウスピース矯正歯科までご相談ください。
投稿・監修者プロフィール
- このブログでは、患者様や一般の方々が歯科医療に関する理解を深め、健康な歯と口腔を保つための情報を提供しています。新しい治療法や予防のためのケア方法、口腔衛生に関するヒントなど、幅広いトピックにわたって記事を更新いたします。