インビザラインのリテーナーとは、矯正治療で動かした歯を正しい位置に固定し、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために装着する保定装置です。
インビザライン治療が完了しても、歯や周囲の骨はまだ安定していないため、そのままにしておくと歯が元の位置に戻ろうとします。そのため、矯正後はリテーナーを装着して歯並びを維持する「保定期間」が必要になります。
インビザラインでは、専用の保定装置である「ビベラ・リテーナー(Vivera Retainer)」が使用されることも多く、透明で目立ちにくく、矯正後の歯並びをしっかり維持できるのが特徴です。この記事では、インビザライン後に使うリテーナーの役割や種類、いつまで装着するのか、注意点など詳しく解説します。


リテーナーとは?
リテーナーの主な役割は、矯正で整えた歯並びが後戻りしないように固定することです。
歯は矯正後すぐには安定せず、元の位置に戻ろうとする性質があります。
この「後戻り」を防ぐために、リテーナーを一定期間装着することが推奨されます。
特に治療直後の数ヶ月は最も後戻りしやすい時期なので、装着時間をきちんと守ることが大切です。
リテーナーとインビザライン矯正用マウスピースの違い
| インビザライン矯正用マウスピース | 歯を動かすための装置 |
| リテーナー | 後戻りを防ぎ歯の位置を固定させるための装置 |
見た目がとても似ていますが、マウスピースのほうが薄く柔らかめなのに対し、リテーナーは厚めで硬めにできています。
誤って矯正用のマウスピースを装着し続けたり、リテーナーを装着し忘れたりしないよう注意が必要です。
リテーナーの種類

リテーナーには、取り外せるタイプと固定式タイプがあり、主に以下の3つの種類が使用されます。
| 種類 | 特徴 | 費用の目安 |
| マウスピースタイプ | ・取り外しできる ・透明で目立ちにくい ・歯ぎしり等で穴が開く可能性がある | 10,000円~20,000円(上下) |
| プレートタイプ | ・取り外しできる ・ワイヤーが目立ちやすい ・耐久性が高い | 20,000円~60,000円(上下) |
| フィックスタイプ | ・取り外しできない ・歯の裏にワイヤーを装着するので目立ちにくい ・歯磨きがしにくい | 30,000円~60,000円(上下) |
マウスピースタイプ:目立たせたくない方におすすめ
透明なプラスチック素材で作られ、歯全体を覆うタイプのリテーナーです。目立ちにくく装着時の違和感が少ないのが特徴です。取り外して清掃できるため衛生的に管理しやすいメリットがあります。歯ぎしりや食いしばりがある方は、穴が開いてしまう可能性もあるので注意が必要です。
プレートタイプ:しっかりと保定したい方におすすめ
プラスチックのプレートとワイヤーで構成された取り外し可能なリテーナーです。歯の表側にワイヤーがかかる構造で、耐久性があり微調整しやすい特徴があります。ワイヤーが目立つのがデメリットですが、白いワイヤーで目立ちにくいものもあります。
フィックスタイプ:装着忘れを防ぎたい方におすすめ
細いワイヤーを歯の裏側に接着して固定するタイプで目立ちにくいのがメリットです。自分で外すことができないため装着忘れがなく、後戻りを防ぎやすい点が特徴です。ただし、歯磨きがしにくい、食べ物がはさまりやすいといったデメリットもあります。
インビザライン専用「ビベラ・リテーナー」の特徴
インビザライン治療を行った方の場合、インビザライン専用の「ビベラ・リテーナー」を選ぶ方が多いです。
ビベラ・リテーナーは、インビザラインを提供するアライン・テクノロジー社が開発したリテーナーです。
ビベラリ・テーナーは見た目の自然さ、使いやすさ、耐久性のバランスに優れているため、インビザライン治療後の保定装置として選ばれやすいリテーナーといえます。
POINT
- 高精度な3Dスキャン技術によって作られるため、フィット感が高い。
- 透明度が高く目立ちにくいので、審美性にも優れている。
- 耐久性が高い素材を使用しているため、長期間使用が可能。
インビザラインではビベラ・リテーナーが良く使われているので、この記事ではビベラ・リテーナーについて解説します。
リテーナーの装着期間はいつまで?

リテーナーをいつまで装着するかというと、最低でも1年~2年程度、矯正期間と同等の期間装着するのが一般的です。ただし、矯正完了後すぐの時期は「後戻り」が起こりやすいため、特に最初の6ヶ月〜1年は、日中も含めて長時間の装着が推奨されます。
リテーナーの1日の装着時間
リテーナーの1日あたりの装着時間は、治療完了直後であれば20〜22時間が目安です。
つまり、食事や歯磨き以外のほとんどの時間はリテーナーを装着しておく必要があります。
この装着時間をしっかり守ることで、歯が動いてしまうリスクを最小限に抑えることができます。
装着時間が足りないと歯が動いてしまい、リテーナーが合わなくなる可能性もあるため注意が必要です。
寝るときだけはNG
「リテーナーは寝るときだけでいいの?」という質問はとても多いですが、矯正終了直後の段階ではNGです。
最初の数ヶ月〜1年は歯がまだ動きやすい状態のため、1日20時間以上の装着が必須となります。
ただし、歯の位置が安定し、医師の許可が出れば、徐々に夜間のみの装着(就寝時のみ)に切り替えることが可能です。
その際も、自己判断で装着時間を短くせず、定期的なチェックを受けながら進めることが大切です。
リテーナーの交換時期

インビザラインの治療後に支給されるビベラ・リテーナーは、矯正完了時の歯並びをもとに作られており、すべて同じ形状です。
同一のものを複数用意しておくことで、破損や紛失があった際にすぐに交換できるため、複数セットご用意される患者様もいらっしゃいます。
リテーナーは長く使用することで少しずつ摩耗・変形していきます。
そのため、ビベラ・リテーナーを複数セット(例:3セット)お持ちの方は、清潔さやフィット感を保つために、以下のような目安でローテーション・交換していくのがおすすめです。
1セット目:治療終了直後から使用(〜6〜9ヶ月)。最も使用時間が長く、摩耗しやすい
2セット目:1セット目が劣化・破損したら交換。使用頻度に応じて早めに交換してもOK
3セット目:さらに交換が必要になった場合、予備として使用。長期間保管する場合は衛生管理に注意
こんなときは交換を検討しましょう
- リテーナーにひび割れ・変形・黄ばみが見られる
- 装着時のフィット感が緩くなってきた
- 長期間使って清潔を保つのが難しくなってきた
リテーナーの劣化を放置すると歯が少しずつ動いてしまう可能性があるため、交換検討事例の様な事象が発生した際は、リテーナーを交換する様にしましょう。
リテーナーは矯正費用に含まれている?
クリニックによって異なります。ビベラ・リテーナーが矯正費用に含まれている場合もありますが、別料金として設定されていることもあります。契約時にリテーナーの費用が含まれているか事前に確認しておくと安心です。当院は保定管理料や毎月の調整費料など全て無料です。

リテーナーの作り直しについて
破損や紛失、または変形によってフィット感が悪くなった場合は、新しく作り直せます。
ビベラ・リテーナーは最初に複数セット提供されることが多いので、ストックがあればすぐに交換可能です。新たに作る際には、再度歯型を取る必要があります。
リテーナー再作製の費用目安(日本国内)
・矯正治療を受けたクリニックで再作製する場合
片顎あたり約5,000円〜11,000円(税込)
・他院で矯正治療を受けた場合や初めて作製する場合
片顎あたり約25,000円(税込27,500円)
作製にかかる期間
一部のクリニックでは、1〜2時間と即日対応で作製可能な場合がありますが、多くのクリニックでは、作製に数日から1週間程度かかることがあります。
リテーナーの扱いで気を付けたいこと

リテーナーは、矯正後の歯並びを安定させるために欠かせない装置ですが、使い方や保管方法を誤ると、変形や破損、衛生面のトラブルにつながることがあります。
毎日使うものだからこそ、清潔に保つこと、食事の際は外すこと、適切に保管することなど、基本的な取り扱いをしっかり守ることが大切です。
清潔に保つ(お手入れ方法)
リテーナーは長時間お口の中に入れて使用するため、常に清潔に保つことが大切です。
使用後はぬるま湯で軽くすすいだ後、やわらかい歯ブラシでやさしくブラッシングしましょう。
洗浄剤を週に1回使うことで、ニオイや着色を防げます。
なお、歯磨き粉を使うと細かな傷がつく恐れがあるため、使用は避けた方が無難です。
食事時は外す
食事中にリテーナーをつけたままだと、食べ物が詰まりやすく不衛生になるほか、噛む力で破損することもあります。
食べる前には必ず外し、再装着前には歯磨きとリテーナーを清潔にすることが理想的です。
ちょっとしたスナック程度でも、つけたままは避けましょう。
ケースに入れる習慣をつける(保管方法)
リテーナーを外したとき、ついティッシュに包んで置いてしまう方も多いですが、これは紛失や誤って捨ててしまう大きな原因になります。
外したらすぐに専用ケースに入れる習慣をつけましょう。
通気性のある専用ケースは、リテーナーの衛生を保ちつつ、物理的なダメージからも守ってくれます。
熱に注意する
リテーナーは熱に弱い素材でできているため、高温にさらされると変形してしまいます。熱湯での洗浄や、直射日光の当たる場所、車内などに放置するのは厳禁です。
洗浄する際も必ず水かぬるま湯を使用し、ドライヤーなどで乾かすのも避けるようにしましょう。
リテーナーのトラブルについて

リテーナーは毎日使う装置だからこそ、臭い・変形・紛失・フィット感の変化など、さまざまなトラブルが起こることがあります。
こうした異変をそのままにしてしまうと、装着が難しくなるだけでなく、整えた歯並びの後戻りにつながるおそれもあります。
違和感があるときは自己判断で使い続けず、原因に応じて早めに対処することが大切です。
ここでは、リテーナーで起こりやすい代表的なトラブルと、その考え方について確認していきましょう。
臭いがする場合
リテーナーからイヤな臭いがする場合は、洗浄が不十分な可能性があります。
唾液や食べカスが付着したまま放置すると、雑菌が繁殖しやすくなります。
まずは日々の洗浄方法を見直し、専用の洗浄剤を使ってみるのもおすすめです。
それでも臭いが取れない場合は、リテーナー自体が劣化してきていることもあるので、交換のタイミングかもしれません。
形が合わなくなってきた場合
リテーナーをつけたときに「なんとなく浮く感じがする」「以前よりきつい・ゆるい」と感じる場合は、歯が少し動いてしまっている可能性があります。
装着時間が短かったり、うっかり数日つけ忘れたことが原因になることも。
違和感を放置すると歯並びが戻ってしまうこともあるため、早めに歯科医院を受診して調整や再作製の相談をしましょう。
変形した場合
高温のお湯で洗ってしまったり、直射日光の下や車の中に放置してしまうと、リテーナーは簡単に変形してしまいます。
変形すると歯にしっかりフィットせず、矯正の効果が失われるだけでなく、痛みや違和感の原因にもなります。
少しでも変形を感じたら、そのまま使い続けずに歯科医院で診てもらいましょう。
紛失した場合
「外してティッシュに包んでいたら捨ててしまった」「家の中で行方不明になった」など、リテーナーの紛失は意外と多いトラブルのひとつです。
見つからない場合は、できるだけ早く歯科医院に連絡し、新しいリテーナーを作る必要があります。
放置すると歯並びが後戻りしてしまうため、数日間でも油断は禁物です。
普段から専用ケースに入れる習慣をつけておくことが、紛失防止のカギになります。
よくある質問Q&A

- リテーナーでホワイトニングは可能?
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インビザラインのリテーナー(ビベラ・リテーナー)を使ったホームホワイトニングは可能です。
ホワイトニングジェルをリテーナー内側に塗布し、一定時間装着することで歯を白くする効果が期待できます。リテーナーをホワイトニングトレーとして併用すれば、矯正後の美しい歯並びと白さを同時にキープできます。
ただし、すべてのリテーナーがホワイトニングに適しているわけではないため、事前に歯科医師に尋ねてみましょう。あわせて読みたい
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リテーナーは一生装着する必要はありませんが、長くキレイな歯並びを維持したい場合は、できるだけ継続して装着するのがおすすめです。
歯並びが安定してきた後は就寝時のみの装着に切り替えることが一般的ですが、完全に使用をやめると少しずつ歯が動く可能性もあります。
きれいな歯並びを長く保ちたい場合は継続して使用するとよいでしょう。
まとめ:後戻りを防ぐにはリテーナーの装着が重要
インビザライン治療後の歯並びをきれいに保つうえで、リテーナーは欠かせない装置です。
装着期間や時間を守ることはもちろん、適切なお手入れや保管、異変があった際の早めの対応も大切です。
せっかく整えた歯並びを後戻りさせないためにも、自己判断で装着をやめず、歯科医師の指示に従って継続的に管理していきましょう。
また、当院は5年連続でインビザライン・レッドダイヤモンドを受賞しており、症例数・技術ともに豊富です。
正しい知識と実績ある医師のサポートで、安心して矯正治療を始めていただけます。



