マウスピース矯正を始めると「ダイエット効果があると聞いたのですが」という質問を受けることがあります。インターネットやSNSなどでも、矯正を始めたら体重が減ったという書き込みを見ることがあり、気になっている方も多いのではないでしょうか。
確かに、マウスピース矯正を始めてから体重が減る人は一定数います。しかし、それは矯正治療そのものに脂肪を減らす効果があるわけではありません。実際には、矯正中の生活習慣や食事の取り方が変わることによって、結果的に体重が減ることがあるというのが正しい考え方です。
この記事では、マウスピース矯正で痩せるといわれる理由や、体重が減ることがある原因、注意点などについて詳しく解説します。

マウスピース矯正で痩せるといわれるのはなぜ?
マウスピース矯正で痩せるといわれる一番の理由は、食生活の変化です。
マウスピース矯正は1日20時間以上装着する必要があり、食事や歯磨きの時以外は基本的に装着して過ごします。そのため、これまでのようにだらだら食べるといった習慣が自然と減っていきます。
また、何かを食べるたびにマウスピースを外して、食後に歯磨きをして、また装着するという流れが必要になるため、間食の回数が減りやすくなります。
さらに、装着時間を守らないと歯が計画通りに動かないため、なるべく外す回数を減らそうと意識するようになります。その結果、食事の回数や食べる量が自然とコントロールされ、体重が減ることがあるのです。
マウスピース矯正中に体重が減ることがある理由

マウスピース矯正中は、食事の回数や内容がこれまでと変化しやすくなります。その生活習慣の変化が、結果として体重の変化につながることがあります。
間食を控えるようになるため
マウスピースを装着していると、水以外のものを飲む・食べるには、必ずマウスピースを取り外し、食後に歯磨きをする必要があります。この手間が、習慣的に行っていた無駄なカロリー摂取を防ぎます。
例えば、デスクワーク中に飲んでいた砂糖入りのコーヒーや、ストレス解消で食べていたチョコレートなど、意識していなかったカロリー源が自然と減らされることになります。
食後の歯磨きが必要になり食べる回数が減るため
食事の回数が制限されることで、胃腸を休ませる時間が増え、体内リズムが整いやすくなる側面もあります。
また、食事と食事の間が空き、血糖値の急激な上昇を抑える効果も期待できます。ダラダラ食いの防止は、健康的な食習慣を築く第一歩です。
食べられるものの種類が減るため
新しいマウスピースへの交換直後は、歯に強い力がかかるため、固いものや噛み応えのあるものが食べづらくなることがあります。
この期間は、自然と食欲が減退したり、流動食に近いものや消化の良いものを選ぶ傾向にあるため、一時的に摂取カロリーが大きく減少し、体重減少につながります。
マウスピース矯正で痩せやすい人・痩せにくい人の違い

マウスピース矯正中に体重が減るかどうかは、個人の生活習慣に大きく左右されます。
もともと間食や甘い飲み物が多い人
もともと間食や甘い飲み物が多い人は、習慣が矯正によって強制的にストップされるため、最も体重減少の効果が出やすいタイプです。
特に、ジュースや清涼飲料水など、液体のカロリーを多く摂取していた人は、それを水やお茶に切り替えるだけで変化が出やすいです。
装着時間をきちんと守れる人
装着時間を守ろうと強く意識するほど、食事以外の時間にマウスピースを外すことへの心理的な抵抗が強くなります。
結果として、食事が管理され、計画的な食事摂取につながり、体重コントロールがしやすくなります。
食べやすい高カロリー食品が増える人は痩せにくい
一方で、矯正中の痛みや不快感を避けようとして、噛まなくても良い高カロリーな流動食や柔らかい食品に頼りすぎると、摂取カロリーが増え、かえって体重が増加する可能性があります。
栄養バランスを考えずに、手軽さだけで食品を選ぶと、治療中に太ってしまうケースもあるため注意が必要です。
痛みで食べられない時はどうする?

マウスピース交換後の痛みは一過性のものであり、通常は2日〜3日で落ち着きますが、その間も栄養補給は欠かせません。
新しいマウスピース交換後は痛みが出やすい
特に新しいマウスピースに交換してから最初の数時間は、歯が動くことによる鈍い痛みや圧迫感を感じやすいです。
痛みが強い場合は、無理せず市販の鎮痛剤を服用することも検討できます。
やわらかく食べやすいものを選ぶ
おかゆ、うどん、スープ、豆腐、ヨーグルト、スムージー、ゼリー飲料など、噛む必要がない、もしくはほとんど噛まなくて済む食品を選びましょう。
咀嚼回数を減らすことで、痛みを減らせます。
無理に我慢せず食べられる方法を工夫する
食材を細かく刻んだり、ミキサーにかけたりして、飲み込みやすい形に変える工夫も有効です。
食事そのものを苦痛に感じてしまうと、治療継続のモチベーションにも関わるため、ストレスなく栄養が摂れる方法を見つけることが大切です。
食事が極端に減る場合は歯科医院に相談する
痛みが長引く、または食事量が極端に減少し、体調不良を感じる場合は、速やかに担当の歯科医師に相談してください。
マウスピースの調整や、痛みを和らげるための具体的なアドバイスを受けられる場合があります。
マウスピース矯正中に体重が減った場合の注意点
体重が極端に減ると、健康面において様々なリスクを伴います。過度なダイエットは健康によくない可能性があることを理解しておきましょう。
マウスピース矯正は長期間にわたる治療のため、体調を崩さず継続することがとても重要です。
必要な栄養が不足するおそれがある
食事量が減りすぎると、歯や骨の健康維持に必要なカルシウムやビタミンD、またエネルギー源となる炭水化物や脂質が不足し、体調を崩しやすくなります。
矯正治療では歯を支える骨の代謝も関係するため、栄養バランスの取れた食事は治療を順調に進めるうえでもとても重要です。
筋力や体力の低下につながることがある
特にたんぱく質の摂取が不足すると、筋肉量が減少し、結果として代謝の低下や体力の低下を招きます。
疲れやすくなったり、集中力が続かなくなったりすることもあるため、食事量が減っていると感じる場合は、意識してたんぱく質を摂ることが大切です。
マウスピース矯正中でも健康的に過ごすための工夫

食欲が落ちやすい矯正期間中ですが、治療を成功させ、健康を保つための工夫をご紹介します。
食事の時間を整えてメリハリをつける
朝食、昼食、夕食の時間を固定し、その時間内に食事を終えるように意識することで、装着時間を確実に確保できます。
食事のダラダラ食いを防ぎ、消化器系にも負担をかけません。また、食事のリズムが整うことで体重の急激な増減も防ぎやすくなります。
たんぱく質や野菜を意識してとる
少量でも効率よく栄養を摂取するため、筋肉の維持に必要なたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)と、ビタミン・ミネラルが豊富な野菜を積極的に摂りましょう。
痛みが強い日は、プロテイン飲料や野菜スープ、ヨーグルト、豆腐など、やわらかくて栄養のある食品を選ぶと無理なく栄養補給ができます。
不安なことは自己判断せず歯科医院へ相談する
治療中に体調や体重の急激な変化、食事に関する大きな不安を感じた場合は、我慢したり自己判断したりせず、すぐに歯科医院に相談することが大切です。

よくある質問

- マウスピース矯正にダイエット効果はありますか?
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矯正治療そのものに脂肪を減らす効果はありません。しかし、矯正中の生活習慣や食事の取り方が変わることで、結果的に体重が減る方は一定数います。
- マウスピース矯正で体重が減る主な原因は何ですか?
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一番の理由は食生活の変化です。マウスピースを1日20時間以上装着する必要があるため、食事や歯磨き以外で外す手間が増えることで、だらだら食べるといった習慣や間食の回数が自然と減りやすくなります。
- マウスピース矯正中に体重が減りやすい人の特徴は何ですか?
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もともと間食や甘い飲み物などを摂取することが多い人、およびマウスピースの装着時間をきちんと守れる人が体重減少の効果が出やすいタイプといえます。
- 新しいマウスピースに交換した後、痛みで食べられない時はどうすればいいですか?
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おかゆ、うどん、スープ、豆腐、ヨーグルト、スムージー、ゼリー飲料など、噛む必要がない、もしくはほとんど噛まなくて済む食品を選びましょう。痛みが強い場合は市販の鎮痛剤の服用を検討し、痛みが長引くなど食事量が極端に減る場合は、すぐに歯科医院に相談してください。
- マウスピース矯正中に体重が減りすぎた場合、どのような健康上のリスクがありますか?
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必要な栄養(カルシウム、ビタミンD、炭水化物、脂質など)が不足して体調を崩しやすくなるおそれ、またはたんぱく質の摂取不足により筋力や体力の低下を招くおそれがあります。また、免疫力が低下すると口内炎などの口腔内トラブルを起こしやすくなり、治療計画に影響が出る可能性もあります。
まとめ:マウスピース矯正で痩せる人はいるがダイエット目的で考えるものではない
マウスピース矯正が生活習慣を改善し、体重減少につながることがあります。
しかし、矯正治療の本来の目的は、歯並びと噛み合わせの改善であり、ダイエット効果はあくまでも間接的なものです。健康的な治療を継続するためには、体重減少や栄養不足に陥らないよう、バランスの取れた食事と適切な装着時間の両立を目指すことが重要です。
何か不安な点があれば、すぐに歯科医院に相談しましょう。
▶ マウスピース矯正についての詳細は、「マウスピース矯正のメリット・デメリットを徹底解説!治療の向き・不向きチェックリスト」をご覧ください。


また、当院は5年連続でインビザライン・レッドダイヤモンドを受賞しており、症例数・技術ともに豊富です。
正しい知識と実績ある医師のサポートで、安心して矯正治療を始めていただけます。


